大学病院勤務の実態|元勤務医がリアルに語る“辞めたくなる理由
はじめにわい自身、医学部卒業後そのまま大学病院で研修医 → 専攻医 → 内科専門医と進んできました。最初は訳もわからず「これが医者かぁ」程度に思ってましたが、実際はそんなもんやなかった。10年近く大学病院で働いてみて感じたことを、【大学病院勤務のリアル】として、ほんのちょっとだけ語ってみます。① 給料が安すぎる!!!まず最初にぶち当たる現実、それは給料の低さ。研修医:基本給 約30万専攻医:基本給は研修医と同じくらい+外勤(=バイト)で +20〜30万医局員:基本給 約17万+外勤で +30〜40万くらい……**17万て何!?**って感じやけど、マジでそう。外勤なかったら普通に生活破綻するレベルやねん。じゃあみんなどうやって生きてるん?研修医終わったタイミングで結婚・出産する人も多いけど、当然、この給料だけでは生活はムリ。みんな「外勤」という名の夜診・当直バイトを入れて、月20〜30万上乗せしてなんとか生きてる。中には“月収+100万”みたいな人もいるけど…バリバリ救急当直を・週2で・土日も日当直月2回みたいに詰め込めば、+100万は余裕で超える。ただし——その分、税金爆上がり+労力消耗+今後の調整がめっちゃ面倒。正直、自分には無理やと思った。② 残業?いいえ、自己研鑽です。最近は“働き方改革”とかでちょっとずつ改善してる気もするけど、本質は全然変わってへん。現場を知らんお偉いさんの謎理論「医者は働いてなんぼ!」「当直?そんなもん休憩やろ!」みたいな発言を、ガチでしてくる人が普通にいる。当直明けもフル稼働の世界うちの病院はまだマシで、救急当直後は直帰できたけど、科当直に関しては普通に翌日もフル勤務。いやいや、それ仕事ちゃうんか??ってツッコミたくなるけど、「科当直は“勤務”ではなく“教育の一環”」みたいなノリで処理されるのが現実。看護師と医者の待遇差看護師は「休みは休み」「勤務は勤務」がきっちり決められてるのに、医者は病院の“さじ加減”ひとつで全部決まる。当直明けに回診朝カンファだけ出ろ指令書類作業は全部サービス残業──全部“勤務”やのに、「残業」じゃなくて「自己研鑽」として処理される。いやいや、研鑽て何やねん。③ 偉さ=年数とポジションのマウント地獄大学病院で働くとまず気づくのが、「助教」「講師」っていう肩書きの意味わからなさ。そう、大学病院の医師って、“医師”というより“大学教員”扱いなんや。肩書き ≠ 実力な世界診療経験や患者対応より、「年数」「大学内ポジション」で偉さが決まる。実力よりも「誰に気に入られてるか」が評価される構造。ほんまに、空気読めるかどうかで人生変わる。若手はご機嫌取りスキルが必須カンファでピンポイントに吊るされるなんか知らんが雑用任されまくる意味不明な勉強会の準備係にされる「理不尽な仕打ちやな〜」と思いつつ、逆らったら出世どころか症例すら回ってこーへんから、誰も逆らえない。そして、どこにでもいる“わいはこれしか診ない”爺医マジで厄介。専門外のことは一切受けないスタイルを貫き、紹介したら逆ギレで送り返してくる。こっちは「腎臓の人やしこの人なら…」って思って紹介してんのに、「いやワシはIgAしか診ないから」ってガチギレで送り返してくるとか、ほんまに引退してくれ。頼むから。④ なんでやめないのかって?「恩」と「しがらみ」一番最初にぶち当たるのは「専門医」問題。特に内科系は、内科専門医がないと転職やバイトの選択肢が一気に狭まる。実際はどうとでもなるけど、最初はやっぱり不安。さらに、その後の専門医や学会発表、論文などこれも大学病院でないと取りにくい。だから、キャリアを考えると“とりあえず残る”という選択を取る人は多い。あと、こういう空気もまだある「やめたらこのエリアではもう働けないと思ってね?」みたいなパワハラ系の圧。まだ残ってる医局もある。ワイが見た例では某腎臓内科がなかなかキツかった。おわりに:大学病院をやめてからやめるときは正直めっちゃ不安やった。「ほんまにやっていけるんか…?」って。でも、結果から言うと——全然どうとでもなる。むしろ快適。市中病院での衝撃看護師さんがめちゃくちゃ優しい今まで医者がやってた業務、半分以上やってくれてるカンファもコンパクト、雑用も減る大学病院で“これが当たり前”と思ってた環境が、外に出てみると全然違うって気づけた。最後にひとつだけ、アドバイスやめるときは、「なるべく穏便に、円満にやめるべし!」変に揉めずに出ておけば、後々の紹介・連携もスムーズにいく。辞めるときの“筋の通し方”、めっちゃ大事。📌 あとがきここまで読んでくれてありがとう。誰かの背中を押せたら、ちょっとだけ書いた意味があると思う。